こんにちは。
10月が終わりになりますね。
年を取るごとに1年が本当に早く過ぎ去っていっている気がします。
子供との時間も子供の成長とともに短くなっていってしまいますので、今のうちにしっかりと構っておきたいと思います。
さて、本日はダイレクトボンディングについてです。
最近は医療法の兼ね合いからも毎回書いていますが・・・
ダイレクトボンディングのメリットは
・基本的には歯を最も多く残すことが出来る治療法である。
・もし一部欠けたりしても、そこだけ治療しなおすことが出来る。
・歯よりも少し柔らかい(反対側の歯が割れたりはしない)
・金属を使用しないため、金属アレルギーは生じない。
です。
逆にデメリットとしては、
・材質的に経年劣化を起こしてくるので、後々磨き残しが溜まりやすくなる
・強度が弱いため、割れたり欠けたりすることがある。
・保険が使えない為、高額(当院では3万円+税です)
材質的なデメリットは非常に大きいんですが、それを考えてもやるべきメリットは、被せ物になるのを、5年でも10年でも先に伸ばすことが出来るという点です。
一回治療したところは必ずいつか駄目になりますが、その時に歯が残っていれば、ひょっとするとまたダイレクトボンディングで対処できるかもしれませんからね。
私は良く「歯の治療は回数券だ」と患者さんにお伝えしています。
20枚綴りの回数券を治療の度に消費していくとします。
ダイレクトボンディングは1~2枚程度しか消費しない治療法ですが、部分的な金属の詰め物は一気に3~5枚くらい消費するようなイメージで、被せ物についてはは5~10枚消費するようなイメージです。
(先生によってはインレーの段階で10枚くらい一気に行くかもしれません・・・。)
例えばダイレクトボンディングが1回の治療で5年持ったとして…クラウンと同様の5枚消費するには25年かかります。
逆にクラウンを25年以上持たせることが出来るのなら良いのかもしれませんが…それが出来る!と自信満々に答えられる歯科医師はまずいないでしょう。
もちろん先生によって考え方は違いますし、価値観も違うため患者さんがどこの医院を選び、何の材料を選ぶかは人それぞれですが…
少なくとも私が同じような状態で治療を受ける際には可能な限りはダイレクトボンディングで治療してもらいたいです。
・・・と、同じように考える歯科医療従事者が多いのか、うちに来る歯科医師・歯科衛生士の方は皆さんダイレクトボンディングを希望されて来院されます。
また、治療とは削る量が増えれば増えるだけその難易度も増していきます。それに伴って、持つ期間としても短くなっていってしまいます。
だからこそ小さいサイズの虫歯の時点で、ダイレクトボンディングで治療する意義は非常に大きいんです。
当院は保険医療機関ですので、非常に小さい虫歯の場合は保険適用内の「コンポジットレジン修復」にて治療を行っていますので、もし精度や持ちに拘りがあるのであれば、最初から「ダイレクトボンディングを希望」とお伝えください。
さて、では写真の方を。
まずは術前ですね。
お隣の県にて開業されている歯科医師の方です。
昔詰められた保険の白い詰め物が、大きく欠けて、中で虫歯になっているのが分かります。
・・・実は歯科医師の方って虫歯になっても放置してしまってる人結構多いんですよね。
忙しいってのはもちろんなんですけど、治療の技量が分かってしまう分、誰に依頼すればいいのか難しくなってしまうんです。
理想を言えば自費専門医だけど、都市部にしか居ないし・・・
ってことで、探した結果、程よい距離にうちがあったので、いらっしゃったって感じです。
そして、虫歯を取りきった写真がこちらです。
神経がうっすら見えかかるほどの大きなサイズでした。
歯が残っているように見えますが、実際は中の方はほとんど残っておらず・・・
後ろ半分は表面のエナメル質だけ残っているっていう状況になってしまっています。
ダイレクトボンディングで処置しなかった場合、この歯は多くの先生で被せ物に近い形態になってしまうと思います。
一気に歯の寿命を縮めてしまうので、ここでダイレクトボンディングのメリットが活かされてきますね。
そして詰め終わったのがこちら。
歯の溝の色が思ったよりも濃くて、再現しきれませんでしたが、本人は非常に喜んでいただけました。
また、実際にご自身でフロスを通してもらって、適正な形が再現できているのも確認して頂きました。
長く使っていただければ幸いですね。
今後も通院するという事になりましたので、しっかりと綺麗にしていきたいと思います!
長時間の治療、お疲れさまでした!
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