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執筆者の写真三木雄斗

Q&A~TCH(歯列接触癖)①~

更新日:2019年11月15日

こんにちは。

5日に予約更新しておくの忘れてました・・・。

遅くなりましたが・・・今日アップさせて頂きます。


今日はうちの方でよく指導しているTCHについて書かせて頂きます。

このリーフレットを使って指導していますが・・・通院中の方は説明を受けたことがある方が結構いると思います。




患者さんに説明した時によく「テレビで言ってた!」って言われることが多いので、最近メディア露出が激しいようです。


そもそもTCH(歯列接触癖)って聞いたことありますか?


TCHとは「Tooth Contacting Habit」の略で、そのまま歯列接触癖と訳します。

つまり上下の歯を「持続的に」「接触させる」癖のことです。


上下の歯の接触と聞くと「かみ締め」「食いしばり」をイメージされる方が多いかもしれませんが・・・

かみ締めや食いしばりは、自分でも認識できるほどの非常に強い力が加わっていますが・・・TCHの場合は非常に弱い力で本当に「接触」しているだけの状態の事を言います。

例え弱い力だとしても、筋の緊張・疲労が生じることが分かった為、こういう名前が付いた感じですね。


さて、急ですがここでクイズです。


Q1:本来人間の歯が接するのは一日のうちどのくらいでしょうか?

  ①24時間  ②8時間  ③3時間  ④1時間  ⑤20分以下


Q2:物を噛んだ時に1本の歯に加わる力はどのくらいでしょうか?

  ①100kg以上  ②70kg前後  ③35kg前後  ④15kg前後  ⑤1kg以下


一応クイズ形式にしているので、下の方に回答を書いておきますので、ページスクロールをお願いします(笑)








































Q1:本来人間の歯が接するのは一日のうちどのくらいでしょうか?

の答えは、⑤の20分です!



どうですかね?

思ったよりも短い時間でしたか?



つまり、人間は食事の時・しゃべっている時・何かを飲み込む時以外は上下の歯に隙間があるのが普通なんです。

この隙間は大体2mm程度で、口の周りの筋肉がリラックスしていれば勝手に開いてくるため、「安静空隙(或いは安静時空隙)」と言われます。




では、次はQ2についてです。


Q2:物を噛んだ時に1本の歯に加わる力はどのくらいでしょうか?

の答えは、大体ご自身の体重よりも少し上くらいで考えて頂ければ間違いないです。

私の友人の女性(標準体型の方)は学生時代に噛む力を測ってみたところ、①の100kg出ていたので、本人の体重の約2倍前後出ていたことになります。

具体的な数字は知りませんが、本人が言っていたので間違いないでしょう(笑)


実は人間は自分に対する刺激は弱く感じるようになっています。

例えば、肩凝りが酷い人が自分の手を使って、グッと押しても大して気持ちよくありませんが・・・お子さんの弱い力で押してもらうと妙に気持ちいいと思いますが、これもそうです。


だからこそ、100kgの力が1本の歯に加わってもそんなに力が入っているように感じないんですね。

そして何より、その100kgの力の半分程度の50kgだともう意識しないと分からないレベルに感じてしまいます。



では、TCHがある場合と無い場合で一日のうちに歯に加わる力の総量を計算してみたいと思います。計算をしやすくするため、通常の咬む力を90kgと20分・TCH時に加わっている力を50kgと12時間と仮定させて頂きます。


TCHが無い場合 : 90(kg)×1/3時間(h)=30(kg・h)

TCHがある場合 : 50(kg)×12時間(h)=600(kg・h)

kg・hは一日の力の総量だとイメージしてくださいね。


注)こんな式もこんな単位も本当はありません!なるべく分かりやすく書こうと思ってこうなっただけなので、気にしないでください!特に物理に詳しい方とかツッコまないでください!!


というわけで、


TCHがある方と無い方の一日に生じている力の量は約20倍という差がある


ことになります。


人間は当然ですが、本来あるべき刺激に耐えられるようにしか設計されていません。

それを超えると、


・ふとした瞬間に痛みが生じてしまったり・・・

・冷たいものや温かいものでしみたり・・・

・歯に亀裂が入ったり・・・

・物を噛んだ時にズキッと痛みが出たり・・・

・詰めたものが直ぐにダメになってしまったり・・・


こういう症状が、

「虫歯ではないにも関わらず」

生じてくることがあります。


ちなみに、私もTCHがあるのですが・・・こういった症状は結構出てきますね。

特に上二つが多いです。


あと、一番最後にも書いていますが、詰め物や被せ物を付けた後の持ち具合にも結構影響してきます。


というもの、椅子とかPCのマウスとかもそうですが、基本的に物には耐用年数というか回数というかそういう寿命が存在します。


治療した場所もそうですね。

歯科の治療とは病気の個所を人工物に置き換えている状態になりますので、当然本来よりも力の総量が多く入ってしまうとその分早くダメになってしまいます。



・・・なんか今回も長くなってしまったので、2回に分けます。


次回はTCHコントロールについて記載していきます!



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