オーラルフレイルとは?5項目セルフチェックと取手市での受診・対策|坂寄歯科医院

院長 三木雄斗
三木 雄斗(Yuto Miki, D.D.S.)
坂寄歯科医院 院長・歯科医師|ダイレクトボンディングをはじめとした保存科全般が得意な一般歯科医師
▶ プロフィールを見る

この記事の要点(直接回答)

  • オーラルフレイルとは、お口の機能のちょっとした衰えのこと。「むせやすくなった」「固いものが噛みにくい」は早期サインです
  • 5項目チェック(OF-5)で2項目以上当てはまる場合、オーラルフレイルの疑いがあります
  • 放置すると要介護リスク・死亡リスクが約2倍以上になるという研究があります
  • パタカラ体操・唾液腺マッサージ・よく噛む習慣など、自宅でできる対策があります
  • 坂寄歯科医院では、定期検診での口腔機能チェックや訓練指導を行っています

こんにちは。坂寄歯科医院 院長の三木です。

 

フレイルとは加齢による心身の虚弱状態を指しますが、実はお口の機能も衰えてくることをご存知でしょうか。

 

例えば

「最近固いせんべいが噛みにくくなった」

「お茶を飲むとむせやすくなった」

などは、お口のフレイルのサインかもしれません。

 

取手市にお住まいの方々の中にも、「歳だから仕方ない」と見過ごしている方がいるかもしれませんが、早めに気づいて対策することが健康長寿の秘訣です。

 

本記事では、オーラルフレイル(口腔機能の虚弱状態)とは何か、なぜ早期発見が大切か、自宅でできる簡単チェック方法をわかりやすく解説します。ご家族と一緒にチェックしてみましょう。

 

オーラルフレイルとは?お口の衰えに気づこう

 

オーラルフレイルとは、簡単に言うとお口の機能のちょっとした衰えのことです。

健康な口と、食べ物がうまく噛めない・飲み込めないといった重度の口腔機能低下との中間に位置する状態です。具体的には、次のような症状が現れます。

 

こうした症状は一見「歳のせいかな」と思いがちですが、放置するとさらなる口の機能低下に繋がる可能性があります。

実はお口のフレイルは全身のフレイル(虚弱)とも深く関わっていることがわかっています。

お口は食べる・話すといった生活の基本を支える器官です。そのため、噛めない・飲み込めない状態が続くと栄養不足になり、筋力低下や要介護リスクが高まる「負の連鎖」が起こりえます。

つまり、お口の衰えは全身の衰えの一部なのです。

オーラルフレイルとは何か・症状・全身との関連を示した解説図|取手市藤代の坂寄歯科医院
図解:「オーラルフレイルとは?」

 

なぜ早期発見が大切?放置するとどうなるの?

 

オーラルフレイルをそのままにしてはいけない最大の理由は、将来の健康リスクが高まることです。

研究によれば、お口の機能低下がある高齢者は、数年以内に要介護状態に陥ったり、亡くなったりする危険性が2倍以上になると報告されています。

 

実際、日本のある大規模調査では、

 

オーラルフレイル該当者は非該当者に比べ:

 

といった具合に、有意な差が確認されました。

 

これは、お口の状態が悪いと十分に栄養を摂れず筋肉量が落ちたり、誤嚥性肺炎を起こしやすくなるためです。

 

特に歯が20本未満になると食べられる物が限られ、栄養バランスの偏りから全身状態が悪化しやすいことが分かっています。

 

またむせが多い人は肺炎のリスクが上がり、噛む力が弱い人は筋力低下(サルコペニア)に繋がりやすいことも指摘されています。

 

取手市藤代エリアでも高齢化が進み、在宅で暮らすお年寄りの数が増えています。

 

地域の声として、「最近噛めなくて軟らかい物ばかり食べているお年寄りがいる」という話も聞かれます。

身近な家族の中に

「あまり噛まずに飲み込んでいる」

「会話が聞き取りにくくなった」

と感じる方がいたら、早めに気づいて声をかけてあげることが大切です。

お口のフレイルは早期であれば対策次第で改善可能だからです。

逆に進行してしまうと、治療やリハビリに長い時間がかかる場合もあります。

 

オーラルフレイルの早期発見が大切な理由。要介護リスク・死亡リスクの上昇を示した図|坂寄歯科医院
図解:オーラルフレイルの「早期発見が大切な理由」

 

お口のフレイルをセルフチェック!〜5つの簡単質問〜

 

専門的な検査機器がなくても、以下の5つの質問でお口のフレイルを簡単にチェックできます。

 

各質問について「はい」または「いいえ」で答えてみましょう(ご自身の場合は自己チェック、ご家族の場合は一緒に確認してあげてください)。

 

【オーラルフレイル5項目チェックリスト(OF-5)】

  1. 現在、自分の歯は何本ありますか?(20本未満の場合、該当とします)
  2. 6か月前と比べて、硬いものが食べにくくなりましたか?
  3. お茶や汁物でむせることがありますか?
  4. 口の渇きが気になりますか?(口が乾いてパサパサする)
  5. 普段の会話で、言葉をはっきり発音できないことがありますか?

 

結果の見方:5項目中2つ以上で「該当=はい」があった場合、オーラルフレイルの疑いありと判定されます。

お口のフレイル(口腔機能低下)セルフチェック5項目(OF-5)。歯の本数・硬い物が食べにくい・むせる・口の渇き・発音が不明瞭。2つ以上でオーラルフレイルの可能性。
表:お口のフレイル(口腔機能低下)セルフチェック5項目(OF-5)。『該当』が2つ以上でオーラルフレイルの可能性あり。

 

例えば「自分の歯が15本しかない」かつ「最近むせやすい」のように2項目当てはまる方は注意が必要です。

逆に1項目以下であれば、現時点では大きな問題はない可能性が高いですが、それでもゼロ項目が理想ですので、該当項目があれば生活習慣を見直したり歯科で相談したりすると安心です。

 

このチェックリストは日本老年歯科医学会などが発表した信頼性の高いものです。

 

簡単な質問ですが、高齢者の実態調査から導かれた重要ポイントが網羅されています。

例えば「歯が20本未満」は噛む力や栄養状態に影響し、「むせる」は嚥下機能や肺炎リスクに直結します。

「硬い物が食べにくい」や「滑舌が悪い」も筋力低下のサインの一つです。

 

「口の乾燥」は唾液の抗菌作用低下による虫歯・感染リスクを意味しますので、それぞれが放っておけないサインなのです。

 

セルフチェックで該当が2つ以上あった方は、早めに専門家に相談しましょう。

 

フレイルの兆候があったら…今日から始める対策

 

チェックの結果、「ちょっと心配だな…」と思ったら、今日からできる予防策に取り組んでみましょう。オーラルフレイルは適切な対処で進行を遅らせたり改善したりできる可能性があります。以下に日常で簡単にできる対策を紹介します。

 

 

 

 

 

以上のようなセルフケアを継続しても、「やっぱり噛めないものが多い」「むせが改善しない」と感じる場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。

 

オーラルフレイル予防として自宅でできる取り組み(パタカラ体操・唾液腺マッサージ・しっかり噛む)のイラスト図解
図解:「今日から始める対策」。お口のフレイル予防として、自宅でできる取り組みを紹介。

 

リスク・限界と費用についても知っておこう

 

オーラルフレイルへの対応策を取る上で、知っておいていただきたいポイントがあります。

まず、セルフチェックやセルフケアには限界があることです。

チェックリストはあくまで簡易判定ですので、「大丈夫」と思っても実際には問題が潜んでいるケースや、逆に「心配」と感じても大事に至らないケースもあります。

自己判断だけで安心せず、気になる症状があれば専門機関で評価してもらうことをお勧めします。

特に嚥下障害(むせが頻繁に起こる)場合、誤嚥性肺炎のリスクがあるため放置は危険です。

 

次に、リスクと副作用について。

お口のトレーニング自体は基本的に安全ですが、無理な力を加えると顎関節を痛めたり、誤った嚥下体操でかえってむせることもありえます。

自己流で不安な場合は、歯科医師・歯科衛生士に正しい方法を教わりましょう。

入れ歯を使っている方は、合っていない入れ歯で硬い物を噛むと粘膜を傷つける恐れがありますので、必ず調整された入れ歯で行ってください。

 

費用面については、現在オーラルフレイルそのものの改善を目的とした特別な自費治療というものは一般的ではありません。

多くの場合、保険診療の範囲で対応できます。

例えば歯科での口腔機能検査や嚥下訓練は、要件を満たせば保険適用されます(ご高齢の方なら1割~3割負担)。

入れ歯作製も保険が利きます。

基本的に、お口の健康維持に過度な費用はかかりませんので、費用面の心配よりもまずは相談する行動を優先してください。

 

坂寄歯科医院での口腔機能チェック・定期検診のご案内

 

当院では、定期検診・予防歯科の一環として、口腔機能のチェックを行っています。

「むせが増えた気がする」「噛みにくくなってきた」「口が乾く」といった気になる変化があれば、定期検診のタイミングでお気軽にご相談ください。

 

当院で行えること:

 

オーラルフレイルは早期に気づくことで、対策がとれます。「まだ大丈夫」と思っているうちから、定期検診でお口の状態を把握しておくことが大切です。

 

ご予約・アクセスは以下からどうぞ。

▶ アクセス・診療時間・駐車場のご案内

▶ Web予約はこちら(24時間受付)

 

よくある質問(FAQ)

Q1. オーラルフレイルとはどういう状態ですか?

オーラルフレイルとは、お口の機能がちょっとずつ衰えた状態のことです。食べこぼし、むせ、滑舌の低下、噛みにくい食品の増加、口の乾燥などが代表的なサインです。完全な口腔機能低下と健康な状態の中間に位置し、早期に気づいて対策することで改善が期待できます。

Q2. 何歳ごろからオーラルフレイルに注意が必要ですか?

研究では60〜65歳ごろから口腔機能の低下が顕在化しやすいとされていますが、50代から予防的に気をつけることが大切です。歯が20本未満になると食べられるものが限られ、栄養状態の悪化につながるため、歯を守ること(定期検診・予防歯科)がオーラルフレイル予防の基本です。

Q3. オーラルフレイルのセルフチェックはどうやってやるの?

OF-5(5項目チェック)が簡便です。①歯が20本未満、②硬いものが食べにくくなった、③むせることが増えた、④口の渇きが気になる、⑤発音が不明瞭になった、のうち2項目以上に当てはまる場合はオーラルフレイルの疑いがあります。気になる場合は早めに歯科医院にご相談ください。

Q4. 自宅でできるオーラルフレイル予防法は?

「パタカラ体操」(パ・タ・カ・ラを各10回はっきり発音する)が滑舌改善・誤嚥予防に効果的です。唾液腺マッサージ(耳下腺・顎下腺)も口の乾燥対策になります。よく噛んで食べること、歌を歌うことなども口周りの筋肉を鍛えます。これらを継続することが大切です。

Q5. 坂寄歯科医院でオーラルフレイルの相談・チェックを受けられますか?

はい、対応しております。定期検診の際に口腔機能のチェックを行い、気になる変化があれば適切なアドバイスや訓練指導を行います。入れ歯の調整や歯周病治療も含め、お口の機能を維持するためのサポートをしています。嚥下障害が疑われる重症例はJAとりで総合医療センターへのご紹介も行っています。

Q6. 入れ歯を使っていてもオーラルフレイルになりますか?

なります。入れ歯があっても、合っていない入れ歯だと十分に噛めず、栄養状態が悪化したり口周りの筋肉が衰えたりします。また、嚥下機能の低下や滑舌の悪化はオーラルフレイルのサインです。入れ歯の状態を定期的に確認し、必要に応じて調整することが大切です。

Q7. むせが増えてきた場合、すぐに受診が必要ですか?

できるだけ早めの相談をおすすめします。むせは嚥下機能の低下のサインであり、放置すると誤嚥性肺炎のリスクが高まります。特に食事中だけでなく唾液でもむせる場合は要注意です。歯科医院または内科・耳鼻科にご相談ください。

 

参考文献

Tanaka T, et al, J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2018;73(12):1661-1667. DOI: 10.1093/gerona/glx225

Dibello V, et al. Lancet Healthy Longev. 2021;2(8):e507-e520. DOI: 10.1016/S2666-7568(21)00143-4

Kito N, et al. J Nutr Health Aging. 2019;23(7):669–676. DOI: 10.1007/s12603-019-1216-8

Shirobe M, et al. Gerontology. 2022;68(4):377-386. DOI: 10.1159/000516968

日本老年歯科医学会「オーラルフレイルを知っていますか?」

 

(※本記事は一般情報の提供を目的としており、医学的助言の代替にはなりません。不安な症状があれば専門の医療機関で相談しましょう。)

 

【ご予約は24時間可能な便利なWeb予約をぜひご利用ください。】

▶︎ Web予約はこちらから

 

【お問い合わせ】
坂寄歯科医院
〒300-1512 茨城県取手市藤代503
TEL: 0297-82-4160
URL: https://www.fujishiro-dental.com/

← ブログ一覧に戻る

この記事は予防歯科専門ページの関連コンテンツです

← 予防歯科について詳しく見る