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執筆者の写真三木雄斗

Ni-Tiファイルについて(歯科医師向け)

こんにちは。

コロナウイルスの感染拡大が全く止まりませんね。

前回の記事で当院なりの対応を書きましたが・・・

追加で院内の常時換気を始めました。


そこそこ気温が上がってきているとはいえ、まだまだ寒いですから、来院される方はなるべく厚着をお願いします。

また、ひざ掛けも各ユニットで準備しておりますので、ご自由にご使用ください。


さて、今日は一般の方というよりも、歯科医師向けの記事になります。

というのもここ最近何名かの先生からニッケルチタン(Ni-Ti)ファイルについて聞かれることが多いので、「ブログみて!」で済ませられるように書いていこうと思います(笑)


と、いうわけでこちら見てくださいね。

T先生、M先生、N先生、H先生、F先生!


では、実際に行っている基本的な治療の流れを書かせて頂きます。


①カリエス除去後、CRにて隔壁を作成する。

  (この時露出している象牙細管は必ず封鎖してください。)

②#08や#10で根尖まで穿通。

③プロテーパーゴールドF1を用いて根尖1mmまで拡大。(NiTi)

④ボルテックスブルー06テーパーの#20用いて根尖1mmまで拡大。(NiTi)

⑤プロテーパーゴールドF2用いて根尖1mmまで拡大。(NiTi)

⑥XP ENDO Finisherを1分程用いて根管内を機械的に清掃。(NiTi)

⑦手用ファイル#25~40のどれかでアピカルシートを形成。大体#30で仕上げてます。

⑧エデト酸ナトリウム(EDTA)1分と次亜塩素酸ナトリウム溶液(NaClO)10分~20分を超音波を用いて根管内の洗浄。(たまにクロルヘキシジンも使います。)

⑨大体①~⑧やるとFistelは消失して、症状もほとんど消えているor改善していることが殆どですので、そのまま根管充填へ。


と言った流れになりますね。

書いた通り、Ni-Tiは③~④の工程でしか使用しませんので、そんなに多くの種類を購入する必要はありません。

まぁNi-Tiは結構好みが分かれるところだと思いますので、最初は色々使ってみるのが一番良いかもしれません。

メーカーでデモをお願いすると実際のファイルなどを使用できますので、試しで使うにはもってこいですよ。


根管治療で最も大切なのは「感染源の除去」になります。

感染源が根管内に限局しているのであれば、根管治療で良くなることが殆どですし、根尖孔外に感染が波及しているのであれば、外科的歯内療法を検討する必要があります。


あとはもちろん、未処理の根管が残っているとそこが感染源になることが殆どですから、高倍率の拡大視野を用いてしっかりと見逃しを防ぐのが大切かと思います。



ちなみに、ここの所やたらと「ラバーダムしてない所はだめだ。」「ラバーダムを行わないと神経の治療は出来ていない」という位にラバーダムがプッシュされていますが・・・


ラバーダムで得られて治療の成功率に関わってくるのは術中の感染予防くらいです。

ですが、実際は「術中の感染予防」よりも、「次回来院までの感染予防」の方が遥かに大切です。

なので、隔壁を作ったり、仮封の厚みを4mm以上とったりすることの方が治療の成功率に大きく関わってきます。

というのも、実際の処置時間なんて30分から長くても120分程度の事が多いかと思いますが・・・次回予約が2週間先であれば


逆にここら辺を疎かにしている先生がいくらラバーダム掛けたところで治療の成功率としては低くなってしまいます。


一昔前は、根の先から膿が出てくるときは「オープン」と言って、仮の蓋をしないという手法がとられることがありました。

これなどは感染を敢えて起こすような行為になりますので、私は全く推奨していません。


あ、ちなみに・・・

ご存知かもしれませんが、根尖病巣の95%は根管内ではなく、根管口部よりも上部に感染源があることが分かっています。

そのため、まずは初回にしっかりと時間を取って、歯冠部のカリエスの徹底除去とCRによる象牙細管の閉鎖を行う事が根管治療の成功率を高めるための最大の近道になります。



もちろん、再感染に対する対策をしっかりと行っている先生がラバーダムを始めとする各種防湿をしっかりと行うのであれば治療の成功率の向上はあります。

まずは隔壁と仮封の厚みが最優先というのを今一度しっかりと確認されたほうが宜しいかと思います。




Ni-Ti用のモーターは何が良いのかという点については、

歯科医師会の雑誌にも記事を書かせて頂きましたが、トライオートZX2を使用しています。

トルクコントロールが優秀で、根管内でのファイルの破折が激減しました。

また良いのが出たら乗り換えるかもしれませんが、今のところは非常にお勧めできるモーターです(笑)



ボルテックスブルーは日本で販売され始める少し前から個人輸入して使っていましたが、基本的にはテーパー6°にしたいだけです。(あと、無茶苦茶切削効率が良いので時間短縮になるというものあります。)

というのも超音波を用いた根管内の化学的洗浄で最も洗浄効果が高いのがテーパー6°とのことでしたので、それを使用しています。

慣れちゃったのでこっち使っていますが、最近はテーパーのファイルも多く出てきていますので、そっちの安価な方への切り替えも検討しています。


後は⑥のXP ENDO Finisherですが・・・

実はNiーTiファイルを使用した場合、根管内の3割程度しか触れていないという論文があります。実際超音波で化学的洗浄をしていますが・・・機械的洗浄が最も効果が高いのは歯科医師であれば誰でもご存知かと思います。

(マウスウォッシュでどれだけやったところでプラーク落ちませんよね?)

そのため、その触れていない7割を触る為にこのファイルを使用しています。

しばらくこれ使っているんですが・・・最近フォレストワンさんで出たジェントルファイルフィニッシャーというのも少し興味があるのでそのうち使ってみるかもしれません。



と、矢継ぎ早に書きましたが、こんな感じです。

又分からないところとかあったら聞いてください。

ブログのネタにさせて頂きます(笑)


#根管治療,#使っている道具

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