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執筆者の写真三木雄斗

メタルコアによる歯根破折


こんにちは。

今日は表題の通り、歯根破折についてです。

歯根破折というのは読んで字のごとく、歯の根の部分である「歯根」が折れてしまった状態を表します。

折れる方向やその深さによっては抜歯に直結する非常に危険なものです。

歯根破折は色々な原因で生じてきますが、その最たるものがこちら

メタルコアです。

神経の治療後には土台(コア)を立てる必要があることがありますが・・・

この中でも特に金属を使用したものが原因で歯根破折を引き起こしてしまう事があります。

よく患者さんに説明しているのは薪割りのようなイメージですね。

軽く商品検索してみたらこんな商品がありました。

根管内に入れるメタルコアはこれと同じで「楔作用」が歯に働き、いつかどこかで耐えられなくなってそれこそパキッと割れてしまいます。

この商品のキャッチコピーは「一気に 丸太を 薪へ」ですが、

歯に関して言えば「一気に 歯を 抜歯へ」となってしまう訳です。

ちなみに、実際に割れた写真がこちらです。

青い矢印の部分が破折している所(破折線と言います)です。

完全に歯が割れてしまっているのが分かるかと思います。

古くから保険診療で使用されてきているメタルコアというものが歯根破折の直接的な原因になることが多いのですが・・・

昔の歯科の常識で

「太く、長いメタルコアを入れたほうがその歯は長持ちする」

というものがありました。

現在ではそれは完全に否定され、歯学教育の現場でもメタルコアはほとんど勧められることはありません。

実際、私も研修医の時代から数えても、メタルコアを入れたことはほとんど全くありません。

歯科だけではありませんが、「つい10年前の常識が、現在の非常識」という事は多々ありますが、

せめて私の専門分野の「歯科」については、これからも最新の知識を入れ続けたいと思います!

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