ダイレクトボンディング
このページでは私が得意としているダイレクトボンディングという治療法についての解説を行っていきます。
What is direct bonding?
そもそもダイレクトボンディングとは何かというと、
複合樹脂(レジン)を歯に直接詰める治療
です。
保険適用の治療法でも同様のものがあり、こちらはコンポジットレジン充填と言われます。それの自費の時の呼び名として使われている感じですね。
たまに自費のダイレクトボンディングの方が硬いです、などと記載しているサイトもありますが、基本的に保険と自費で強度の違いや、物性の違いは特にありません。
どちらもただのレジンになります。
ただしこの治療は手間暇をかけた分だけ予後が良くなります。
そのため必然的に保険のものよりも自費のものの方が遥かに持ちが良くなりがちです。
Advantages・Disadvantages
〜ダイレクトボンディングのメリット〜
・基本的には歯を最も多く残すことが出来る治療法である。
・もし一部欠けたりしても、そこだけ治療しなおすことが出来る。
・歯よりも少し柔らかい(反対側の歯が割れたりはしない)。
・金属を使用しないため、金属アレルギーは生じない。
〜ダイレクトボンディングのデメリット〜
・材質的に経年劣化を起こす為、後々磨き残しが溜まりやすくなる。
・強度が弱いため、割れたり欠けたりすることがある。
・保険が使えない為、高額(当院では4万円+税です)。
Why choose direct bonding?
では、材質的なデメリットがあるにも関わらずなぜダイレクトボンディングが選ばれるのでしょうか?
やはり最大の理由としては被せ物になるのを、5年でも10年でも先に伸ばすことが出来るという点です。
1回治療したところは人工物である以上、いつか必ず駄目になります。
しかし、その時に歯が残っていれば、ひょっとするとまたダイレクトボンディングで対処できるかもしれません。
Dental treatment is a coupon ticket.
〜歯の治療は回数券という事実〜
基本的に歯の治療とは回数券のようなものです。
一度切ってしまうと元には戻せません。
例えば、20枚綴りの回数券を治療の度に消費していくとします。
ダイレクトボンディングは1~2枚程度しか消費しない治療法ですが、部分的な金属の詰め物(インレー)は一気に3~5枚くらい消費するようなイメージで、被せ物についてはは5~10枚消費するようなイメージです。
(先生によってはインレーの段階で10枚くらい一気に行くかもしれません・・・。)
仮にダイレクトボンディングが1回の治療で5年持ったとして…クラウンと同様の5枚消費するには25年かかります。
逆にクラウンを25年以上持たせることが出来るのなら良いのかもしれませんが…それが出来る!と自信満々に答えられる歯科医師はまずいないでしょう。
もちろん先生によって考え方は違いますし、価値観も患者さんによって違うため、どこの医院を選び、何の材料を選ぶかは人それぞれです。
ですが、少なくとも私が同じような状態で治療を受ける際には可能な限りはダイレクトボンディングで治療してもらいたいですね。
で、ダイレクトボンディングでは無理というサイズになってきたら、今度は被せ物(クラウン)に移行するという流れを希望すると思ってます。
また、治療とは削る量が増えれば増えるだけその難易度も増していきます。それに伴って、持つ期間としても短くなっていってしまいます。
だからこそ小さいサイズの虫歯の時点で、ダイレクトボンディングで治療する意義は非常に大きいんです。
当院を受診する歯科医療従事者は可能な限りダイレクトボンディングでの治療でということで来院されます。
少なくとも同業から見てもそれだけメリットを感じる治療というわけですね。
長期経過の写真をお出ししますが、少なくとも3〜4年程度では全く劣化などもせず問題がないのがわかるかと思います。
当院は保険医療機関ですので、基本的に保険適用内の「コンポジットレジン修復」にて治療を行っていますので、もし精度や持ちに拘りがあるのであれば、最初から「ダイレクトボンディングを希望」とお伝えください。
また何か聞きたいことなどございましたらお気軽にご質問ください。